知っておくべき「脱水症状」
熱中症などによる脱水症状、こわいですね。
皆さんも気をつけて水分補給をされていると思いますが、実はただ水を飲めばいいわけではありません。ヒトのからだは60パーセントが「水」で出来ていて、その水は「0.9%の塩水」なんです。この0.9%というのがとっても大事!塩分が濃すぎても、薄すぎでも脱水症状になってしまいます。激しい運動をした後や、汗を大量にかいた時に、水だけを摂取してもダメだと言われているのはそこが関係しています。今回は生理学的観点からそこをわかりやすく説明したいと思います。
脱水には主になりやすい2種類があります。
これは正常な体液の塩分濃度です。
ここが崩れると脱水症状となります。大きく分けて2種類の脱水があります。
①高張性脱水
猛暑や激しい運動などで大量に汗をかいた後の状態。体の水分や微量の塩分などが汗で体外に出てしまい、体内の水分が大幅に減ってしまった状態。
一般的には非常に喉がかわいて水分を欲します。体も非常に熱くなります。
②低張性脱水
高張性脱水になり、その後水だけを摂取した後の状態。水分だけが増加した為、体内の塩分濃度が高くなってしまいます。
発熱や口渇感はあまり感じず、皮膚・粘膜の乾燥も少ないため、初期には自覚症状が少ない。進行すると、頭痛、嘔吐、意識障害などを起こします。
①大量の水分が失われてしまうので、体液が0.9%よりも高くなる。
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たくさんのお水を飲む。
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②体液がたくさんの水で薄まり、体液が0.9%よりも低くなる。
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体内の細胞に塩分(ナトリウム)不足が起こる。
イメージだとしょっぱい物を食べた後喉が渇きますよね?塩分を多く採れば塩分を薄くするために水を飲みたくなるのと同じで、①の体ではそういう状態が起きています。ただ①の状態で水だけを大量に摂取すると、相対的に体内の塩分の割合が減少するため塩分不足を起こしてしまうのが②の状態です。
水分補給や脱水症状の際に、水だけ飲んでもダメな理由はお分かり頂けましたか?
では具体的な水分補給のアドバイスです。
①飲むタイミングは「のどが乾く前」。
喉が渇いたと感じる時はすでに軽い脱水状態であると言われています。
②一度に大量に飲まない。
そもそも喉が渇いてないのに大量に水を飲むって大変。また、大量に飲んでも大部分は吸収出来ず排出されます。少量をこまめに摂取する習慣をつけましょう。
③水だけでなく、スポーツドリンクや塩飴などを同時に摂取する。
今回のテーマです。アメや塩分タブレットは、今はコンビニでも脱水予防に特化したものが色々売られていますので、それらで問題ありません。スポーツドリンクは薄めた方がいいと言われることもありますが、汗をよくかく夏や運動前後でしたら、スポーツドリンクは薄めず飲むほうが塩分補給には適しています。お水の代わりに常時補給するのであれば多少水で薄めた方が糖分過多を防げますが、飲みすぎなければあまり気にする必要はないでしょう。
④アルコール以外なら、飲み慣れていればカフェイン入りのお茶等や炭酸飲料でも大丈夫。
何より、水分を体内に入れることが大事です。ただし、糖分が大量に含まれているものはできるだけ避ける方が望ましい。
いかがでしたか?熱中症や脱水状態に気をつけて健康的な生活を送りましょう。
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